どう対処する?反ワクやカルトに染まる看護師

看護師長向け

看護師が反ワクチンや陰謀論、カルトなど「非科学的なもの」に走ってしまう背景は複雑です。
前回の記事で述べたとおり仕事への良からぬ影響もー。

が、思想や宗教は個人の自由です。怪しいデモや集会に参加しようとも、それはプライベートなこと。職場が口出しするのは難しいのが現実です。

ではどう対処すればいいのか、できることはあるのか。職場での対処法を考えてみましょう。

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話を聞く姿勢は、「否定もせず、肯定もせず」

基本はコレ!やみくもに否定しない

看護師に限らず、根拠の乏しい”説”に傾倒する人に対し一般的に有効と言われる対処法です。
「それウソだよ」「根拠のないでデマ。だまされてるよ」と全否定しても、「あら、そうなの」となるはずはありません。

否定されたことでさらに自分の考えを強化させ、「自分は貶められている」という危機感を芽生えさせてしまいます。

改心させようと思ってはいけない

全否定がダメなら肯定はどうでしょうか? 

「○○さんがそんなにいいという”教え”なら、私にも聞かせて」「一度そのセミナーに一緒に行ってみたいんだけどー」など懐柔して内側から考えを改めさせよう―、なんてことは絶対にやってはいけません。ミイラ取りがミイラになることもありますし、「改心させよう」なんて思いはひどく傲慢で相手を傷つけかねません。

映画『エクソシスト』のように憑りつかれて我を失っているわけでありません(そう見えるかもしれませんが)。

話を聞く姿勢は「否定もせず、肯定もせず」です。

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仕事上の現実的な不満や不安の改善を

陰謀論やカルトに走らせてしまう根底には何らかの不満や不安があると考えられます。これら具体的な不満や不安を改善することが解決の糸口なるかもしれません。

といっても職場でできるのはあくまでも仕事、職場に関することだけ。「占いとかスピとかおかしなことを言い出した人」という印象はできるだけ排除し、ほかのスタッフと同じように仕事上の、職場内の具体的な問題を解決できるよう働きかけましょう。

それで即「脱・非科学」になるものではありませんが、本人にとってカルトやスピ系とは別の解決法を身につける機会となり、変化が見えてくるかもしれません。

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陰謀論者には打つ手なし

非科学的なものへの傾倒も段階があります。

どこからどこまで―、とラインが引かれるものではありませんが、「ワクチンは人口削減を目的としたもの」「真実は隠ぺいされている」というような陰謀論には残念ながら”打つ手はない”と考えてよいでしょう。

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職務上「これはアウト!」というラインを決めておく

できることは限られるとはいえ、看護師は患者さんの生命や生活に携わる仕事。看過できない状況となることも。職場では「こうした行動には注意指導」というラインを決めておくことが必要です。

たとえば、患者さんの治療、療養に悪影響を及ぼす行動。行われている治療を否定したり、それによって患者さんに不安与えること。
ほかには、職場での勧誘行為。同僚や後輩、患者さんを集会に誘ったり、グッズを売りつけたり(論外ですね)という行為はアウトでしょう。

こうした行為をどう処分するかは就業規則に照らし合わせて各職場の判断になります。

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まとめ:自分もそうならないために

もっと向上したいという思いや、ストレスや挫折からの逃避からスピリチュアルや陰謀論、カルトなどに向かってしまう看護師たち。「自分はそうはならない」と思っていても、どこにその入り口があるのかはわかりません。

一つの考えや見方に固執することなく、幅広く、ときには自分とは正反対の意見に耳を傾けることも必要です。が、それがとてもストレスで耳を塞ぎたくなる。こうしたときはためらわず誰かに話を聞いてもらいましょう。

職場といえども他人の集まり。仕事を離れた思想や宗教の問題は他人がどうこうできるものではありません。

「最近ちょっとしんどいんだけど……」と言えるうちに、「元気ないけど、何かあった? 」 と聞けるうちに。

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