50代看護師の転職・再就職先は「介護施設がおすすめ」はホント!? 知っておきたいデメリット

看護師の転職事情

50代の看護師が転職や再就職を考えるとき、「病院」か「介護施設」かは、大きな選択です。

「病院勤務が正直しんどくなった」「新しい医療技術に不安がある」「委員会活動とか勉強会とか、勘弁してほしい」 病院勤務で頭や身体を酷使してきた50代看護師がキャリアダウンを考えた転職先として介護施設を選ぶケースは増えています。

転職サイトの介護施設の求人情報には、「夜勤・残業なし」「ライフワークバランスがとりやすい職場です」「業務に追われることなく、ゆったりとした看護が実践できます」といった魅惑の言葉が躍っており、「そうよ!若い人よりも話し相手にもなれるし、アラフィフ看護師は介護施設に決まりね!」と、安易に考えがちです。

が、実態はそんな夢のような職場ではなく、病院勤務にはない介護施設ならでは落とし穴がー。

50代看護師が介護施設への転職、再就職を考える際に知っておくべきデメリットをまとめました。

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介護施設の看護は「医療行為がない/少ない」とは限らない

介護施設では病院のように病気の検査や治療を行うことはありません。あっても日常のVSのチェック、投薬程度です。

ーと言いたいところですが、医療行為を必要とする高齢者がたくさんいる介護施設もあります。

ここで知っておくべきは【介護施設の種類と人員配置基準】です。介護施設のすべてに看護師の配置が義務付けられているわけではありません。

看護師の配置義務があるのは、

・介護老人保健施設(老健)
・介護老人福祉施設(特養)
・介護付有料老人ホーム
・デイサービス *専従でなくても可

の4つだけです。この4つの介護施設には、医療行為が必要な高齢者がいます。

が、ココからが、知っておくべき現実です。上記3つ以外の ”看護師の配置が義務付けられていない介護施設” にも、いまや医療行為を必要とする高齢者がいるのです。

胃ろう、経管栄養、膀胱留置カテーテル、在宅酸素、吸引などのほか、施設によっては常時点滴や看取りを外部の医療機関や主治医の指示のもとで実施している施設もあります。

特にサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)は介護施設ではなく「賃貸住宅」に分類される施設でありながら、要介護者や認知症高齢者、医療行為を必要とする高齢者のニーズに対応するために、看護師や介護士を配置しているところもあります。

が、業務手順や内外の他職種との役割分担などが整備されておらず、結果充分なサービスが提供できずに事故やトラブルなりやすいと言われています。

介護施設はサービスが流動的になりやすい分、当初にはなかったオンコール体制が導入されたり、休みが変更になりやすいなどの問題も生じやすいのです。

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介護施設の看護師は「人間関係」が難しい

「介護士と看護師は対立しやすい」は、ホントの話です。

看護師と介護士はそれぞれの役割を持つ別々の職種で上下関係ではありません。が、役割上、看護師が介護士に仕事の指示や許可を出すことが多く、これが対立の火種になることも。

特に病院勤務の経験が長く、病院の基準で仕事を進めたがる看護師は「介護士を見下している」と思われがちです。また、看護師の判断で介護士の仕事が左右されるため「ちゃんと仕事ができる看護師か」ということを介護士は厳しく見ています。

最初から「介護施設だからのんびりとー」と高をくくっていると、職場の人間関係はうまくいかないでしょう。

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介護施設の看護師の「給料・処遇」は病院よりも低め

一般的に病院よりも介護施設のほうが基本給は低めに設定されています。資格や勤務に対する特殊手当も、病院ほどは充実していません。

また昇給幅が小さく、50代であれば就職時で頭打ちとなることもあります。賞与や退職金、福利厚生制度も経営母体によってかなりの幅があります。

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まとめ

介護施設はサービス形態が多様で流動的がゆえに潜在している問題がたくさんあります。

「もう50過ぎだから、介護施設でのんびりとー」のはずが「こんなはずじゃなかった……」となる前に、業界全体が抱える課題と、可能な限り職場の実態を掴んだうえで転職を判断しましょう。

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