「看護師長を辞めたいけれども、降格してこの職場に残れるのならそうしたい」という場合、降格の希望をどのように伝えればいいのでしょうか。
ここでは降格希望の伝え方と、「降格させられない」と言われたときの対処についてご紹介します。
「降格」という選択を相談する
師長からの降格を希望する場合、まずは直属の上司(看護部長・総師長)に相談しましょう。
相談時には必ず「降格希望」という言葉で自身の意思を伝えましょう。ただし、是が非でも「降格希望」というのではなく、「降格」という選択肢も含めて現在の問題(看護師長としての重責、負担感、行き詰まりなど)を解決したいという希望を伝えるようにしたほうが良いでしょう。
降格を希望する「理由」は
「管理職に向いていない」「心身の負担が大きすぎて体調にも影響が出始めている」「家庭生活との両立ができない」など、自身の看護師長としての悩みを具体的に伝えたほうが良いでしょう。
そして大切なのは、転職ではなく「この職場で働き続けたい」という意思を伝えることです。「退職金の積み上げ」や「慣れているから」「通勤がしやすいから」などが「この職場で働き続けたい」正直な理由かもしれませんが、そこは表に出さず「仕事のやりがいを感じている」「スタッフとして自分の力を発揮したい」などを降格希望の理由として伝えるようにしましょう。
「降格させられない」と言われたら

希望降格の制度や前例がない職場や、ある職場であっても「降格希望」がすんなりと許可されることはないでしょう。
「次の師長候補がいない」
「師長が降りたらスタッフのモチベーションが下がる」
「師長がスタッフになっても、みんながやりにくくなる」
など、いろんな理由で降格を認めず、師長として頑張ることを勧められるでしょう。
ならばココで「ホントにこの職場で ”降格して働き続ける” がベストな選択かどうか」をもう一度考えてみましょう。「降格」に対しネガティブなイメージしか持っていない職場、上層部であれば、たとえ降格が実現しても、相応のリスクを抱え続けることになるかもしれません。
降格以外の選択肢とは
「希望降格」が「働き方の拡大」や「人材確保」という職場にとってもメリットになるという考えがないような職場であれば、別の選択をとるべきでしょう。
降格希望が叶わない場合の選択肢には次のようなものがあります。
師長を続けながら負担を減らす
降格の相談で上げた具体的な問題をひとつずつ解決していくことです。
看護部長や同僚師長の理解や協力を得て、少しでも仕事量や心理的負担を減らすように工夫してみましょう。
師長のまま勤務異動
降格希望の師長を降格させられない職場がよく使う方法ー、いわゆる「横スベリ」です。
部下の少ない部署への異動や、看護部のライン外に新設部署を作って「教育担当師長」「業務改善担当師長」など、直属の部下を持たない師長にしておく方法です。
これは本人の選択というよりも職場側の選択ですが、「降格させられないけどー」の先にこうした打診があった場合は、一つの選択肢として考えてみましょう。
退職して転職
「悩みも聞いてもらえない」「降格もさせてもらえない」「降格希望なら辞めてもらうしかない」という対応の職場なら、降格をあきらめて転職を考えましょう。
やるだけやった上での決断です。前向きな転職を実現しましょう。