看護師は忙しい、残業は当たり前、定時で帰ろうなんて非常識ー。私が働いていた職場にも少なからずこうした雰囲気はありました。
「残業がイヤなら残業がない職場に転職すればいい」 入院患者さんのいないクリニックや健診機関、デイ系の介護施設などは一般的に残業が少ない職場です。たしかにこうした職場への転職も一つの解決策でしょう。
しかし残業は減ったものの、給料や雇用条件、仕事内容など、ほかの条件が悪くなってしまうのは困りもの。転職せずに何とか今の職場で残業しない方法はないものか、定時で帰れるようにならないものか。
そんなお悩みを解決します! 「私はこうやって定時に帰っていました。」
残業しない働き方には「計画」が必須

慣れた仕事ほど「計画」は重要
毎日の仕事に「計画」を立てて実施していますか?新人の頃は計画を立てていたけど慣れてくるとわざわざ計画まではー、という人も多いでしょう。
経験を積めば予定の業務にどのくらいの時間がかかるかはだいたいは掴めますし、そこに予定外のことが発生しても臨機応変にやりくりできるようになります。なのでいちいち「計画」なんて立てないー。
はい、まずココ。ココから見直しです。「慣れ」は確かにスピードアップの一助にはなるでしょう。しかし、日々微妙に異なる業務を効率的に行うためには「計画」は不可欠です。
・優先順位を考える(看護の鉄則!)
・無駄な動きをしない(順番、導線)
最効率の計画が「残業しない働き方」につながります。
計画は「リスト」として可視化する
「行動計画表」「ToDoリスト」「タスク表」など様々な呼び方がありますが、毎日の計画はリストとして可視化しておきます。
こうしたリストは職場でフォーマットが提供される(「電子カルテ」のシステムの一部として出力される)場合もありますが、デキる看護師の多くは個人で作成しています。コレは!と思う人のリストを参考にさせてもらいましょう。
計画は余裕をもって
予定の業務だけでパンパンになりがちな看護師ですが、必ず予定外のことが起きます。それを見越して10~20%程度の時間と体力、精神力の「余白」を準備しておきましょう。
人の仕事の終わりに左右されない
「応援」は時間内に「リスト」に追加する
自分は仕事は終わっているけれど先輩や同僚がまだ残っているので帰りづらい。「無視して帰りましょう」と言いたいところですが、職場のチームワークも大事ですよね。自分の計画に余裕があるときは積極的に「応援」です。
が、ここで大事なのは、「応援も時間内に組み込む」ということ。終業時間ギリギリになって「なんか手伝うことない?」と言ってしまうと確実に残業になるでしょう。自分の仕事のキリを見定め、時間内に「応援」の声かけをすることでうまくいけば応援を受けた相手も残業を回避できるかもしれません。
応援を頼む場合も同じ。時間ギリギリになって頼むのではなく、時間内に申し出るようにしましょう。
仕事終わりの「付き合い」は極力少なく
仕事終わりに同僚と飲みに行く予定を入れてしまうと「付き合い」で残業してしまうことに。たまになら問題ありませんが、これが常態化してしまうと「定時に帰る」ことはできません。
仕事終わりの「付き合い」は極力少なくしましょう。
「美しく定時に帰る」を確立する
身辺はいつも整理整頓
効率的に仕事を進めるうえで「整理整頓」は重要課題です。いつも探し物をしていたり、忘れ物、なくし物が多いようでは「定時に帰る」のも難しいでしょう。
また「整理整頓」は仕事の効率化だけの問題ではありません。「え、あの人コレやりっぱなしじゃない?これで帰ったの?」と思われては、「定時に帰る=サボり」という印象を与えかねません。
「立つ鳥跡を濁さず」を毎日実践するつもりで、定時に帰りましょう。
私物は最小限で
更衣室から職場(勤務する場所)に持ってくる荷物がやたらと多い人っていませんか? 何が入っているのかはわかりませんが、1泊旅行くらい余裕で行けそうなバックを持ってくる人。
で、「おつかれさまです」と帰っていくときも、そのどデカいバックが目につくんですよ。「私、今、帰ってますっ!」と言わんばかりの存在感です。やむを得ず残業している身にとっては「ん?」と思いますよ。「そーッと帰れっ!」ですよ。
更衣室まではあくまでの仕事モードで、さりげなく姿を消す。これが定時に帰るコツです。
やむを得ない残業は、気持ちよく「全力」でこなす
万全の対策をとっていたところで、交代時間ギリギリでの急患や急変があれば、定時で帰ることは難しくなるでしょう。
そのときは「計画」を脳内でササッと延長し、次のシフトの看護師に引継ぐところまで責任をもって「残業」しましょう。こうした「残業」を気持ちよくキッチリやっておくと、「ただ残業がキライな人」とは思われることはなく、メリハリの効いた仕事がデキる人として心象もよくなります。
平常の何もないときに「定時で帰る」ためにも、不測の事態の「残業」は全力でこなしましょう。
給料は残業手当(時間外手当)をあてにしない
残業をしないことの唯一の難点は「時間外手当」が少ないこと、です。
3万円~5万円/月ほどの差が出るかもしれませんが、「定時で帰る」を目指す以上はじめから「時間外手当」はないものとして、やりくりを考えておきましょう。
まずは自分ひとりで 職場全体を変えようなんて思わない
無駄な残業はないに越したことはありません。「定時に帰る」努力も自分だけでなく、職場全体で取り組んだ方がいいと考えるでしょう。が、いきなり職場の問題として取り組もうとすると、その「業務改善」のリーダーにさせられたり、かえって超面倒なことになりかねません。
いいか悪いかは別として、師長など管理職の役についたときに職場全体を変えていけばいいのです。
「わたし、定時で帰ります。」とあえて宣言する必要もありません。
明日から、
・人に左右されることなく、
・スッとひとりで美しく、
定時に帰りましょう。