「残業はほとんどありません」とか「高収入で福利厚生も充実してます」とか「人間関係もイイ感じですよ」ってな情報を鵜呑みにして、「よし、ここだっだら頑張れそう!」と転職したものの、そこにとんでもないお局さまがいた! こういう情報が大事なのに、なんでわからんの? なんで看護師転職サイトで「お局:有り・無し」って選べないの?
とお嘆きのみなさん、心中お察しいたします。
転職先を選ぶうえで「どんな看護師がいるか」「イジメやイビリはないか」というのは重要ポイントなのに、担当者に聞いても「そういうの聞かないっスよ。いい雰囲気の職場みたいっスよ」みたいにフワーっとした答えでナンの参考にもなりません。
「どこの職場にもお局はいるしイジメやイビリはある。また転職しても同じことー」と耐えるしかないのでしょうか。
看護師の基本!まずは全体をしっかり観察する
転職したら新しい仕事を覚えるので精一杯になりがちですが、仕事を覚えるのと同じくらい、いや、それ以上に大切なのが人間関係の構築です。その職場にどんな看護師がいるのか、師長はどんなタイプかなどを冷静に観察しましょう。
観察は最低2週間は必要です。初出勤日に「感じのイイ人ばかりだなぁ」と思っていたら、翌日のメンバーが鬼揃いで空気が一変した、というのはよくあることです。
・派閥やグループはあるのか
・相手によって態度を変える人はいるか
・自己主張しない人はいるか
・師長の統制は効いているのか
などをしっかり観察しましょう。
「品定め期」をやり過ごす

どんな職場であっても、新入りがどんな人で、どんな仕事っぷりで、という品定めが行われます。
特にお局さまが牛耳っている職場であれば、お局さまの指令のもと下々のモノがあなたの一挙一動を観察し、お局さまに報告しているはずです。
この時期に早く馴染もうとオープンに接しすぎるのは危険です。
あくまでも双方の観察期間として、”平常-10%程度引き気味” でやり過ごしましょう。
安全を確保する
お局サイドの新入りに対する「品定め」も終わるころ、あなたへの対応がおおむね決まります。
①配下におかれる
お局さまのお気に召すと、取り巻きの一員となります。フレンドリーに話しかけられ、表立ったイジメやイビリはありません。
が、自由に発言することや ”反お局勢力” との交流を禁じられ、厳しい管理下におかれるでしょう。
②敵対視される/標的にされる
お局さまが気に入らないと判断すれば、反お局勢力とみなされます。
”反お局” として一団となった勢力がある場合は、対立もしくは冷戦状態となりますが、少数の場合はイジメやイビリの標的となってしまいます。
③保留にされる
お局さまが仲間にできるかどうか判断に迷うケースです。簡単には配下におけそうもないけど、敵にも回したくないー。表面上は品定め期が継続した状態です。
この中で直接的に危険なのは②ですが、①もなかなか危ない。お局さまに気に入られれば安全のように思いますが、そうとも言えません。お局さまの機嫌を損ねないような気遣いや仲間意識が絶対となり、LINEやSNSでつながることを求められることも。
職場のかかわりだけと割り切り、プライベートは一切かかわりを持たない、③の状態がベストです。
自分の居場所を見つける

どんな職場にもお局さまがいるように、どんな職場にもお局さまを良くは思っていない人、そんな職場に居心地の悪さを感じている人がいるでしょう。そうした人と交流を持ち、職場でひとりで孤立しないようにしましょう。
ただし、あえて ”反お局ー” と態度を決めることはありません。誰も排除しない空気を作っておくほうが、同じような気持ちの人が集まってきやすくなるからです。
師長への相談は有効!?
「○○さんがお局みたいでイジメやイビリがひどいんですっ!師長さんなんとかしてください」
この手の相談は注意が必要です。お局さまがお局さまになっている現状からして、師長の統制が効いていないのは明らかです。なかには、お局さまをのさばらしていることを非難されていると受け取り(ま、そうなんですが)、「あなたにも問題があるんじゃないの?ちゃんと協力してる?」と逆ギレする師長もいたり、最悪、お局さまと師長がズブズブの関係という場合もー。
なので、充分に充分に全体の状勢を観察しておきましょう。
お局さまの攻略は無力化!
お局の「配下」でもなく「反対勢力」でもない「その他」の自立した看護師を増やすことで、お局ナースの権力を無力化していきましょう。
勤務異動などで無理に引き離したり、派閥やグループを作ることを非難すれば、逆に反感をかって(弱気?)お局さまの求心力が増してしまいます。あくまでも水面下で時間をかけて、「配下」や「反対勢力」の絆?呪縛?を解いていくのです。
この「お局無力化計画」は、師長がクズでもスタッフの主導でなんとか実行できます。
転職者自身もどちらにも属さない状態を維持し、お局さまにコントロールされない方が働きやすいということを共有体験していきましょう。
無力化された「元お局さま」は辞めていくかもしれませんし、屍のごとく働き続けるかもしれません。いずれにしても、温かく見守ってさしあげましょう。