断れずに看護師長職を引き受けてしまった! ピンチをチャンスに変える方法

看護師向け

看護師の中には「昇進したくない」「間違っても師長になんかなりたくない」と思う人は少なくありません。

教育体制が整った大病院では、看護師長になるためのキャリアパスがあり、「師長になりたい人」がそのパスに則って師長への階段を駆け上がっていきます。しかし中小の病院や介護施設の事情は違います。

誰もやりたくないけど、誰かがやらなくてはならない師長職。

看護師長にはなりたくないけど断ることはできそうにない。気は進まないけど引き受けるしかないー。

そんな状況に追い込まれてしまったらどうすればいいのでしょうか。

◆ちなみに、まだ「断れる余地」がある人は、こちらの記事をどうぞ

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看護師長の職務、仕事内容を「職務分掌」で確認する

師長はその組織の中でどういったポジションにあるのでしょうか。「どういった権限があるのか」「責任の範囲はどこまでか」などを確認しましょう。

職場には「職務分掌(または業務分掌)」というものがありそれぞれの職務の役割や分担が記されています。

前任者からの引継ぎはこの職務分掌に則って行われるべきですが、管理に問題がある職場ではこうした明文化されたものよりも、「前例」や「慣習」を重んじる風土があり、根拠や合理性のないやり方に疑問を持たない管理者もいます。

「枝葉」にとらわれることなく「根幹」はどうなっているのか、どうあるべきかを自分の目で確認しておきましょう。

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給与や勤務条件を確認する

で、ココから本格的に大事なことです。

看護師長になると給与が変わります。

管理職手当

一般的には「管理職手当」が支給されることになります。

管理職手当の決め方は「一律〇万円」や「基本給の〇%」など職場によってさまざまです。職場の「給与規定」でしっかりと確認しておきましょう。

時間外勤務手当

看護師長は管理職であるため「時間外勤務手当」を支給しない職場もあります。

しかし定時に終業することなどほとんどなく、時間外の会議や夜間の緊急対応なども避けられないのが師長職です。こうした状況に対して「特別手当」を支給する職場もあるため、規定を確認しておきましょう。

「管理職手当」<「時間外手当」となるケースも

スタッフ時代には支給されていた「時間外手当」よりも、「管理職手当」が少ない。さらには、夜勤もなくなったので「夜勤手当」もなく、結果、給料が下がってしまったー、というケースもあります。

仕事で得るものはお金だけではないー、とは言いますが、経済的な事情で「給与」を最優先したい人は、この条件で師長になるべきか慎重に判断しましょう。

勤務時間、休日数

病院や施設の規模にもよりますが、看護師長は平日の日勤の勤務が基本となり、休日や夜間は必要に応じて対応となります。

が、この「必要に応じてー」のハードルが低く、呼び出しが日常的にある職場もあります。休日に出動した場合の代休、または手当はどうなっているのかを規定で確認しておきましょう。

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前例や慣習を無条件に引き継がない

師長になりたいと思う人が少ない原因は、ズバリこれ!

「魅力的な師長がいない」
「尊敬できる師長にあったことがない」

これはまぎれもない事実でしょう。前例や慣習を重んじる風土に加え、周りが無意識に行っている「前任者との比較」もまた、魅力ある師長への生まれ変わりを阻んでいます。「前の師長は20時までは帰らなかった」や「3連休以上は取っていなかった」などの悪しき前例を引き継ぐ必要はありません。

前任者のやり方が絶対ではありません。必要に応じて、職場全体に「改善」を求めていきましょう。

スタッフとの人間関係の変化は覚悟

長く勤務している職場で同期や同年齢のスタッフの中から自分が師長になるケースでは、それまでの「スタッフ同士」から「上司と部下」の人間関係に変化します。

自分ではこれまで通りの関係をー、と思っても「部下」にとってはそうもいきません。

気持ちをうまく切り替えて、ストレスと感じ過ぎないようにしましょう。

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「臨床看護」以外の力が師長を救う

師長になると現場の看護以外に様々な知識が必要になります。

・制度関連(医療制度・介護保険制度・看護教育など)
・労務関連(労働環境・働く人の健康管理・メンタルヘルスなど)

これらの知識は「看護」の視点を広げ、ざまざまな問題解決の活路にもなります。看護管理について学ぶ研修や書籍を利用して「師長力」をつけていきましょう。

◆看護師サービスの特殊性を「経営学」の視点から解説しています。おすすめです。

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