看護師転職サイトは、転職希望者にとってはとても便利なサイトです。ところが、「看護師転職サイトを利用しても思うような転職ができなかった」「ネットで見た情報と実際は大違いだった」という人もいます。
看護師転職サイトを利用した転職の実態と、その裏側にある病院や施設などの職場(雇用者)の事情と看護師(求職者)の事情をみてみましょう。
看護師転職サイトを利用した転職 病院や施設側の事情

高額な紹介料をかけないと看護師が確保できない
看護師の転職は、かつては看護協会のナースセンターやハローワークなどの公的機関からの紹介、または直接の応募、知人(在職者)の紹介などが主流でした。
しかし現在は人材紹介会社からの紹介が大半を占めています。病院や施設は人材紹介会社を利用すると看護師を集めやすいというメリットがある一方、高額な紹介料が必要というデメリットもあります。紹介料が足かせとなって求人がかけられない職場もあります。
紹介料を払ったのに、看護師がすぐ辞めてしまう
病院側には人材紹介会社に高額な紹介料を払ったにもかかわらず、採用した看護師がすぐに(1か月以内に)退職してしまうという問題があります。
短期間の退職では人材紹介会社が病院から紹介料の返金を求められるケースもあり、人材紹介における信用トラブルとなる一例です。
看護師転職サイトを利用した転職 看護師の事情

看護師転職サイトの不正確な情報を見極められない
看護師転職サイトの情報は玉石混淆です。
多くの求人があるように装ったり、看護協会やハローワークなどの公的紹介所との誤認させたりする情報、さらに、安易に転職をすすめる記事や看護業務の実態にそぐわない記事、倫理にもとる記事などもあります。
看護師転職サイトは利便性が高い一方、こうした不正確な情報も混じっています。
高額な紹介料を払っているので辞めさせてもらえない
人材紹介会社を利用した就職では、その紹介料は看護師ではなく病院が支払います。看護師のなかには病院が紹介料を払っていることを知らなかったり、知っていてもどのくらいの紹介料なのか知らない人も少なくありません。
ちなみに看護師の紹介料の相場は、年収の20~30%。年収400万円の看護師であれば、100万円前後です。けして安い額ではありません。
前述のように、ごく短期の退職であれば紹介料の返還もありますが、基本的には戻ってこないお金です。「紹介料を払ってるんだから、退職させられない」とハッキリ言われることはなくても、暗にそれを匂わせて退職の申し出に応じないという実態もあります。
まとめ
看護師転職サイトの情報を見極められなかった結果「思うような転職ができなかった」「転職に失敗した」となるケースも少なくありません。看護師転職サイトはさまざまなメリットがある一方、紹介料が介在するビジネスの一端であることを忘れてはいけません。
ネットだけで情報収集を完結せず、看護師転職サイトを利用する際は必ず転職コンサルタントの話を直接聞き、信用できる相手かどうかを見極めましょう。
また、看護師転職サイトはあくまでも選択肢の1つです。人材紹介会社を利用せず、直接応募や公的機関で応募をかける職場もあります。可能なら知り合いの紹介などの方法も検討してみましょう。